2018年10月の稽古テーマ







健康の「健」は、

【「にんべん」+「えんにょう」+「ふで(聿・筆)」】。



この身心の状態を表す「けん」(すこやか)という言葉に、

古代の人は、どうして「聿(筆)」を組み込んだのでしょう。



タイムマシンがないので仮説にとどまりますが、

もしかしたら、「筆のように動く身体こそ健康なんだ」と

感じていたのかもしれません。



そうだとすれば、「筆のように」とは、

どのような状態をいうのでしょう。



改めて、本物の筆を手に取ってみましょう。

中空の筆管が穂先を通じて、地面に真っすぐ通ります。



筆毛に墨を含めると、毛束が纏まり、その保水力で潤います。

紙に当ててみれば、弾力があり、先が利いています。



つまり、「筆のように」とは、

【@軸が通る・A弾力がある・B先が利く】ということ。



古代人は、この筆のような動きが體から引き出され、

心地よさで満たされた感動を、「健」として表したのではないでしょうか。



本物の筆は、たった一本で多種多様な線が引けるがゆえに

「最高の筆記用具」と言われます。



ただ、古代人の感覚からすれば、

「最高の健康用具」と言ったほうがいいかもしれません。



「筆」とのハーモニーを楽しんでいたら、

いつのまにか、自分の體から「健」が引き出されていた…。



今月も、そんな健やかトキメキを、
筆と自分を通しながら味わっていきませんか。


                                                              書法道場師範 武田双鳳