稽古風景
≪2023年5月≫
●夏の書遊び全国大会
課題は「空」。スポンジや歯ブラシ、西陣織、鹿の骨など、筆以外の道具をつかって、デザイン書道を楽しみました。
●大人の生徒さんは、古典のアレンジにチャレンジ
王義之、鄭道昭、顔真卿など、古典に基づいた作品づくりをしました。
●児童生徒さん、バランストレーニングを楽しみながら、書き方を向上させていきました。
【大人の書の学び〜2023年5月】
●張猛龍碑(522年)
建碑から長らく、あまり注目されなかった張猛龍碑。ところが、1800年頃、清代の碑学派(包世臣)によって「書道史上の最高峰」とされ、張猛龍碑が脚光を浴びることになりました。北魏楷書の創始者・趙之謙は逆入平出で、張裕サは外方内円により張猛龍碑を表現。張猛龍碑の特徴は「方筆」。鋭く、右上がりが強い、手足(払い)が長く、引き締まった字形。スタイリッシュな躍動感があります。
●王羲之「蘭亭序」(353年)
貴族的な書きぶりですが、王羲之は「骨こう」と呼ばれるほどマッチョ系。楷書では「楽毅論」、草書では「十七帖」、行書では「集字聖教序」「喪乱帖」「孔侍中帖」など、その名作のコピー(搨模本や拓本)は沢山残されていますが、やはり、「蘭亭序」が最高傑作。そのコピーの中では八柱第一本(虞世南臨模・張金界奴本)、八柱第三本(馮承素搨模・神龍半印本)、定武本(欧陽詢臨模)が有名です。
●孫過庭「書譜」(687年)
孫過庭は、新法・三折法という流行に流されず、伝統的な書法(古法・二折法)にこだわった、かたくなな保守系書家。頭大脚小、中心右下移動、左傾といった字のフォルム(結体)のとり方も、伝統的な王羲之書法にかない、「書譜」は「十七帖」と並ぶ草書の双璧と評されています。
≪2023年4月≫
●足元がグラグラな方が、強い線が書ける!? バランスボードと書道を組み合わせると、新たな発見があるものです。
●児童全国大会で入賞された生徒さん、おめでとうございます―
★全国最優秀賞を獲得した生徒さんも!
●児童生徒さん、心技体をバランスよく磨いてくれています。
●蘭亭序や顔勤礼碑など、古典に基づいたアレンジにチャレンジ!
【大人の書の学び〜2023年4月】
●鄭道昭「鄭羲下碑」
・方筆系の龍門四品(始平公・孫秋生・魏霊蔵・楊大眼)と異なり、鄭羲下碑は「円筆系」です。
・鄭道昭は王羲之・顔真卿と並ぶ「第三の書聖」とも評され、その雄渾な書風は、特に、清代碑学派の能書家(趙之謙など)を魅了していきました。
・代表作の「鄭羲下碑」は「篆の勢、隷の韻、草の情が全て具わる」と言われる多様な書きぶりで、「野外芸術の精華」と書の世界では最高ランクに位置付けられています。
●欧陽詢「皇甫誕碑」
欧陽詢の楷書四碑(化度寺碑、九成宮醴泉銘、温彦博碑、皇甫誕碑)の中でも、皇甫誕碑は、欧法(背勢や方勢など)が際立っています。楷書の極則「九成宮醴泉銘を修得するには、まず皇甫誕碑から」とも言われます。
●顔真卿「顔氏家廟碑」
・王羲之の流れをくむ初唐三大家ら伝統派に対して、顔真卿は懐素と共に革新派とされます。
・初唐三大家により楷書体が完成した後、盛唐の顔真卿が蚕頭燕尾による感情豊かな書を打ち出したことで、新たな書風の歴史が花開き、「意の書」と言われる北宋の三大家に繋がっていきます。
・顔真卿の楷書作品は数多くありますが、「多宝塔碑」、「東方朔画賛」、「麻姑仙壇記」、「顔勤礼碑」、「顔氏家廟碑」の五つを覚えておけば、まずは、十分でしょう。
≪2023年3月≫
立ち方から始める「本来の書の稽古」。健やかな立ち方が、美しい書き方の前提です。
〇大人は条幅作品制作にトライしました
〇児童生徒のみなさんも、イキイキと稽古をしています。
【大人の書の学び〜2023年3月】
@王羲之尺牘
まずは、「喪乱帖」と「孔侍中帖」に触れてみましょう。慣れてきたら、菅原道真を左遷した醍醐天皇にゆかりの「妹至帖」や、風流天子・宋の徽宗や清の乾隆帝や明の董其昌に関係する「行穣帖」、広島原爆で粉塵と化してしまった「遊目帖」も鑑賞してみましょう。線の弱い人は「奉橘帖」、テクニックを磨きたい人は「初月帖」といったように、TPOに応じて使い分けてもいいでしょう。
A北魏楷書
北魏後期の漢化政策による南朝書風の流入により、ブラッシュアップされた北魏楷書を【碑・墓誌・造像記・摩崖】の4つに分類し、捉えていきました。
<碑> 北魏楷書の最高傑作「張猛龍碑」と「貞碑」は、必ず鑑賞されたし。
<墓誌> まずは「元顕儁(げんけんしゅん)墓誌銘」、「張黒女(張玄)墓誌」に触れてみよう。
<造像記> 「牛ケツ造像記」+「龍門四品」(始平公、魏霊蔵、楊大眼、孫秋生の各造像記)の「方筆性」と「躍動性」を捉えよう。
<摩崖> 書道史の中で燦然と輝く、円筆系の摩崖碑・鄭道昭「鄭羲下碑」は要チェック。
Bチョ遂良
楷書四碑のうち壮年期の「伊闕仏龕碑」と「孟法師碑」は欧陽詢の書風に近く、晩年期の「房玄齢碑」と「雁塔聖教序」では、より独自性を発揮しています。いかにして「チョ法」を編み出したか、孟法師碑と雁塔聖教序の比較から始めてみましょう。また、?遂良の行書「枯樹賦」については、「蘭亭序」と比較しつつ、針金のような線、字形の変化の多様性などを学びたいものです。
≪2023年2月≫
●3月開催・書法道場展「爛漫」に向けて清書!
●全身を整えながら、書に取り組みます。
●みなさん、いい表情されています(´▽`)
【大人の書の学び〜2023年2月】
楷書については、「鐘ヨウ」(宣示表、薦季直表など)→「二爨碑」(爨宝子碑・爨龍顔碑)→「龍門造像記」(始平公造像記など)→「唐代楷書」(九成宮醴泉銘、雁塔聖教序など)の順で、まずは歴史の基本的な流れを押さえていきましょう。今回は、特に、方筆系の龍門造像記「牛ケツ造像記」と楷書を完成させた初唐の三大家たる父・欧陽詢の峻厳さを際立たせた欧陽通「道因法師碑」を書き比べつつ、北魏の躍動性と唐の構築性といった各時代における楷法の異同を捉えました。
行草書については、王羲之尺牘のなかでも最高傑作とされる「喪乱帖」と「孔侍中帖」に着目。左傾、中心移動、頭大脚小といった一般的な王羲之書法を捉えながら、それぞれの尺牘に現われる具体的な風合いを味わっていきました。王羲之尺牘の特徴を明確にするために、伸びやかでリズミカルでスケールの大きい唐太宗の「温泉銘」を取り上げましたが、王献之「地黄湯帖」や米?の「蜀素帖」などとも、比較していきたいものです。
☆龍門四品(始平公・魏霊蔵・楊大眼・孫秋生の各造像記)を鑑賞し、唐代楷書(九成宮醴泉銘や雁塔聖教序、顔勤礼碑)と比べてみましょう。
≪2023年1月≫
●書いて飾って叶えるカレンダー展 〜in 滋賀銀行堅田駅前支店
2023年の抱負を漢字一文字書に!
●全国児童書初め大会にチャレンジ
児童生徒のみなさん、書き初め大会に向けて、一所懸命に励んでくれました!
●書法道場展「爛漫」に向けて書作品制作にチャレンジ!
●「書かない書の稽古」としての、バランストレーニングにも励んでいます。
【大人の書の学び〜2023年1月】
1月は鐘よう「薦季直表」、王羲之「楽毅論」、王献之「中秋帖」、懐素「自叙帖」を振り返りつつ、王羲之「興福寺断碑」、「二爨碑」(「爨宝子碑」、「爨龍顔碑」)、唐太宗「晋祠銘」を取り上げました。
王義之「興福寺断碑」は、同じく集字碑たる「集王(字)聖教序」と比べてみるといいでしょう。集字者の個性の違いだけでなく、時代性の違いも表れており、変化の細やかな「集王聖教序」に対して「興福寺断碑」はより法則化されています。
「二爨碑」を学ぶときは、前提として、唐代楷書までの道筋を押さえておきましょう。すなわち、鐘よう「薦季直表」で楷書が芽生え、爨宝子碑で線が鋭利になり、爨龍顔碑で横画に角度がつき、北魏楷書で三折法が備わり、唐代楷書の構築美へと向かっていきます。
唐太宗「晋祠銘」は、現存最古の行書碑であることは忘れたくないものです。日常書体たる行書が石碑になるとことで、「紙に書く」と「石に刻る」ことの相対化か極まり、以後、石碑に刻ることをもって正式な書とされた「石の時代」から、紙に書くことが石に刻ることを内包する「紙の時代」に移っていきます。
≪2022年12月≫
◎書いて飾って叶えるカレンダー! 新年の抱負を漢字一文字書に凝縮、よき年を引き寄せるワークです。
【大人の書の学び〜2022年12月】
漢代の「隷書」が終わり、魏晋南北朝代の書に入っていきました。紙の普及に伴い書体の進化が加速化し、現行書体(草書・行書・楷書)の名手も登場します。
草聖・張芝は不明な点が多いですが、「宣示表」や「薦季直表」で隷書を革新し楷書のスタイルを創り上げた鐘ヨウは「楷書の鼻祖」とされ、その後の楷書体の変遷(北魏石刻楷書→唐代楷書)の起点となっていきます。
書聖・王義之は「蘭亭序」や「集字聖教序」といった行書で特に有名ですが、その楷書についても、鐘ヨウの書と比較しながら触れておきたいところです(「黄庭経」や「楽毅論」など)。なお、王義之の息子・王献之も、父と並んで「二王」と評される能書家。その行書(「廿九日帖」「中秋帖」「地黄湯帖」など)は、王羲之の落ち着いた書きぶりに動的なアレンジを加えることで、新たな書の世界を切り拓き、北宋代の米?や明代の王鐸にも大きな影響を及ぼしていきます。
<鐘ヨウと王義之の楷書(小楷)の比較>
・鐘ヨウ小楷…字形は扁平・向勢で隷書の名残が色濃く、線質は二折法・中鋒・円勢でまろやかで行書との未分化が伺える
・王義之小楷…鐘?より字形は縦長・背勢気味、線質は三折法・露鋒系の多用で鋭さが増し、よりスタイリッシュに。とはいえ、唐代楷書と比べると背が低く、線質もまろやか。
≪2022年11月≫
◎アート書道にチャレンジ! 自作の筆や、筆以外の道具(歯ブラシやドライバー等)を使って、新たな書表現を楽しみました。
◎自分で選んだ言葉を、自分らしく表現する―
書法道場展「爛漫」(2023年3月中旬開催・烏丸御池しまだいギャラリー)に向けて、書作品制作!
◎書は「最高の健康法」です。全身を緩めて呼吸を深め、内なる芸術性を引き出していきます。
◎まずは、「書を知る」ことから―座学の時間も大切にしています。
【大人の書の学び〜2022年11月】
〇隷書の五つのスタイル
多種多様な隷書の作品群を「
五つのスタイル」に仕分けして、随所で引き出せるようにしておきましょう。曹全碑の扁平な字形でありながら、張遷碑の骨力のある線質で書くなど、様々な隷書の表現ができるようになります。
→
@碑銘の隷書・古隷(ライ子侯刻石など)、
A碑銘の隷書・八分隷(乙瑛碑、
礼器碑、史晨碑、
曹全碑、張遷碑など)、
B摩崖の隷書(石門頌、西狭頌など)、
C木簡の隷書(敦煌漢簡、居延漢簡など)、
D碑学派の隷書(ケ石如や趙之謙など)。
〇木簡
木簡の発見によって、
前漢代にも八分(波磔のある隷書)が存在したこと、また、隷書と同時に日常書体である隷書の早書き体(草隷)が発展していたことが分かりました。清代碑学派の隷書作品群は木簡(手書きの隷書)を前提にしていませんが、木簡発見後の現代書道においては、隷書を作品化する場合は、手書きの隷書の要素を考慮する必要があるでしょう。
〇狂草
狂草とは、王義之「十七帖」や孫過庭「書譜」に代表される古法・二折法草書を革新し、
新法・三折法によって次々と連綿させる草書体のことをいいます。
懐素「自叙帖」が狂草の代表作で、その音楽性の豊かな書きぶりを、一度は鑑賞しておきたいところです。狂草の誕生によって、書道史はターニングポイントを迎え、法則性を重視する書体(法)の時代から、芸術性を重視する書風(意)の時代へと変わっていきます。
≪2022年10月≫
◎全国競書大会(ふたば書道会主催)で、見事全国最優勝「双葉賞」を取得されました!
◎たくさんの生徒さんがご入賞。おめでとうございます!
◎ 足元から健やかに書き方を整えていきます。
◎条幅課題にチャレンジ!大きく書くのは、本当に気持ちいものです〜
◎児童生徒さんも熱心に取り組んでいます!
≪2022年9月≫
みなさん、ステキな表情されていると思いませんか?
たのしく全身を整えながら、書の稽古に励みます。
時には、篆書や隷書などで書遊びをしながら・・・
心地よい緊張感のなか、それぞれの課題に取り組みます。
隅々まで磨かれた清浄の場。みなさんの表情もピカピカです!
≪2022年8月≫
足元から筆先まで通る心地よさ〜バランストレーニングで書道の前提づくりをしています。
大人の書道では、篆書・「泰山刻石」、隷書・「石門頌」・「乙瑛碑」、楷書・ちょ遂良「雁塔聖教序」)を学び、篆書や隷書の筆法を日常書体に活かすコツを習得しました。
子供達も興味津々! 解剖学のテキストを使って足の骨の仕組みを学び、いかに健やかに立つのかを実践研究していきました。
〇子供と大人が積極的に交流することで、それぞれに良い刺激を受けています。
〇大きく書けば、大きく上達します。半紙より大きな紙に書く稽古を、毎月行っています。
〇心を込めて丁寧に…豊かな人生にとって欠かすことのできない所作を、児童生徒さんも書を通じて学んでいます。
≪2022年7月≫
「場に礼」から始まる書道の稽古、とても清々しいものですー
夏の青春!大人の生徒さんは夏の競書大会にチャレンジ。
心と身体のバランスを整えながら、書の稽古に励んでいます
おめでたいことに、書道師範資格や、雅号を取得された生徒さんも!
≪2022年6月≫
字のバランスはカラダのバランスから。立ち方、座り方、息の仕方を、ヒモトレ&バランスボードを通じて整えていきます。
●大人の青春! 夏の全国競書大会へのチャレンジがスタートしました。前提としての古典学習も、より熱心にされています。
●児童生徒さん、書き方も動き方も、笑顔で磨いていってくれています!
●オンライン生のみなさんも、コツコツと稽古に励んでいます―